2012年2月5日日曜日

絵空ごと#001極私的「一太郎」考(1)


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本稿は、janjan 一個人の極私的考察を吐露したものに過ぎません。従いまして、読者諸兄各位の購買行動、選挙行動、抗議行動、或いはその他行動の意思決定に際し、本稿内容をその根拠とされることを、わたくしは推奨いたしません。



#001 極私的「一太郎」考(1)

さあて、しょっぱなに何を取り上げたものやら、けっこう右顧左眄(うこさべん)したんですが、ま、初回ですから、肩に力をいれることはやめといて、わたしが日ごろとってもお世話になっている、ジャストシステム(Justsystem)さんのワープロ、一太郎を取り上げることにいたします。


Mac 界から EG Word がいなくなった日のこと

2008年1月、エルゴソフトのMac用ワープロ、EG Word(イージーワード)が市場から撤退します。わたしの「悲惨なワープロ遍歴」は、今にして思うに、それが出発点だったよう

EG Word は、とっても良くできたワープロでした。非力なチップで作動するMac(わたしの Mac 初号機は33MHzで動く68LC040を積んでいました)でも、とてもキビキビと働いてくれたし、「エディタ・モード」「アウトライン・モード」「原稿用紙・モード」を持つ多機能性に加え、同梱されるかな漢字変換ソフトのEG Bridge(イージーブリッジ)も、とてもお利口さんでした。ですから、Mac ユーザーにとってのワープロといえば、すなわち EG Word のことだったのです。

OS9下で稼働中のEG Word Pure 2.0「エディタ・モード」

同「縦書き編集画面」

OS X で稼働中の Pure 4.0 「原稿用紙モード」

わたしが日本語ワープロに求める機能など、それほどむずかしいものだとは思っていません。わたしは、ただ単に「日本語」を「縦書き」で編集し、時々は「ルビ」も使いたい、……って、たったそれだけなのです。それだけのことなのに、この3点を過不足なく満たしてくれるワープロって「存外に少ない」んですよねぇ……。

EG Word がいなくなってからというもの、わたしは「次の伴侶」を求めて奔走するのですが、どーも、どの子も「いまいち」で……。

アップル(Apple)ページズ(Pages)に期待してみるのですが、こちら、「ルビ文字」はおろか「縦書き」にも未対応。まるっきり、日本語ワープロとしての体をなしていません。たのみの綱の「MSワード(MicrosoftWord)」も、わたしが求める条件を満たしていませんでした。


Microsoft JP は、Word 上の問題を放置している

マイクロソフト(Microsoft)オフィス(MS Office)に内包されるワープロ、ワード(Word)、一応は「縦書き」にも「ルビ文字」にも対応していることになっています。だけど……、これが「あとからとってつけた」程度のお座なり対応でしかなく、「日本語ワープロとしては使えない」ものでした。

まずは、縦書き編集時における「ルビ文字」。ルビ行が他行に比して異様に広がってしまう現象があります。

Word で「ルビ文字」を使うと、行間が広がる

「ルビ行」だけではなく、Word には「原稿用紙モード」、「縦中横」にも不具合が見られます。

Word の「原稿用紙ウィザード」から提供される縦書き原稿用紙上で「ルビ」を使ってみると……


Word の原稿用紙で「ルビ文字」を使うと、字間が縮まる

あららぁー、こりゃないでしょう……。マック(Mac)版の「2011」、「全画面表示」で作業中です。なかなか使い勝手がいいのですが、ご覧のように、今度はルビを振った文字の間隔が縮んじゃいます。原稿用紙なんだから、せめて「1つのマス目に1つの文字」っていう原則に則(のっと)って文字を並べたいじゃないですか。ところがところが……、Word 君ときたら、そんなことさえもちゃんとやってくれないんですねぇ……。

さらに醜悪(しゅうあく)なのが、Wordの「縦中横」変換。


Mac 版2011の作業画面、縦中横変換が……

上は、マック(Mac)版・オフィス(Office)2011・ワード(Word)による作業画面。縦中横変換後、それに続く文字列が「横書き」になります。その前のバージョン(2008)では、さらにエゲツナイことになっています。

Mac 版2008の作業画面、縦中横トラブルがカオス状態


上の例では、縦中横変換に続く文字列が「横書き」になるだけではなく、改行後も同様の不具合が続きます。

ここまでやってくれると、もう「なあに、これ……?」状態。

そのていどのこと、「作業者の設定次第でどうにでもなるじゃないか」という声など、わたしは聞きません。「ルビ行の間隔」にしろ、「原稿用紙のルビ文字」にしろ、「縦中横変換後に続く文字の方向」にしろ、そのようなことは「アプリケーション側で対応すべき問題」です。

Microsoft JP は、これらの問題をいつまで放置しておくんでしょうねぇ……。まさか、「それが仕様ですから」のひと言でかたづける、ってんじゃないでしょうなあ……。でもまあ、Word にはあんまり期待していないので、次の次あたりのバージョンで対応してくれれば、それでいいです。


「使えるワープロ」は、Windows に...

ワード(Word)がだめ、ってことになると、残るのは「一太郎」……?

ったって、一太郎っちゃー Windows だよなぁ……。

ってわけで、わたしは、肩を落としつつも、しかし、あるていどの期待を込めながら、Mac 界から Windows 界へと足を踏み入れるのです。「使えるワープロ」を求めて……。

Mac の半分のお値段で導入した Win 機で、わたしが、最初に試した一太郎は「一太郎2004」。このバージョン、かつて「Mac 版 VirtualPC with Windows XP Professional」下で使っていたもの。しかし、スクロールさえままならないという緩慢(かんまん)さに辟易(へきえき)し、ほとんど使われないまま「半分廃棄状態」だったものでした。埃(ほこり)をかぶったパッケージから何年かぶりかで救出された一太郎だったんですが、まさに「ところがところが……」だったんです。こうして改めて「本物のWindows」で動かしてみたら、その動作の軽快なこと! ほんっと、吃驚(びっくり)でした。体感的には、Mac で使う、ちょっとだけ重めのテキスト・エディタ並みの身軽さで働いてくれるのです。もちろん「縦書きOK」「ルビ文字OK」、「縦中横だって問題なし」なのですから、ずっと長いあいだ「持ち腐れ」状態で使わずにいたことを大いに悔やんだものでした。

なーんだ、「わたしの伴侶」は、こんなところで、わたしをずっと待っててくれたのね……。

爾来(じらい)のわたしは、一太郎にぞっこんです。


一太郎2004「プロフェッショナル画面」


上は、一太郎2004の「プロフェッショナル画面」です。メニューが消滅し、背景に溶け込んだタブが残るだけ。「Alt」キーを押すことでポップアップメニューが出現し、矢印キーで階層をたどることができます。マウスを使うことなく、すべてのメニュー項目にキーボードからアクセスできるます。マウスを使うことが前提となっている Mac OS 環境では想像だにできないことでした。キーボードからマウスへ腕を移動させる必要がない分、作業に集中できるすぐれた UI だと思います。左上のポッチをクリックすれば、普通にメニューを表示することも可能ですが、わたしは、ディスプレイを広く利用できるので、メニューを表示させることはありません。

一太郎2011 の「全画面表示」

上は、現状最新バージョン、「一太郎2011・創(そう)」の全画面表示です。ま、それなりにすっきりまとめられていますが、こちらの作業ではメニューへのアクセスにマウス操作が必須となっています。キーボードから手を移動させることになり、わずかな時間ではありますが、作業が中断します。この作業ロスタイムをどう評価するかは、大いに個人差があると思いますが、少なくとも、わたしは評価していません。


そしてもう一つ。個人的には、左上の「作業フェーズ切り替えボタン」が非常に目ざわり。このボタンから「エディタ」「アウトライン」「基本編集」「提出確認」、そして「ビューア」の切り替えが可能ですが、これらの表示の多くは作業の最終段階で必要になる機能で、作文作業中はほとんど使いません。フェーズ切り替え自体はメニューからも操作できるのですから、ジャストシステム(Justsystem)さんには、このボタンを作業画面から取っ払っていただけることを期待したいと思います。それができないのなら、せめて、もっと目立たない色に変更していただければ、と思うのですが……。


Win 機「スタート・メニュー」


こちらは、わたしの現行 Win 機のスタート・メニューです。いくつかの一太郎が並んでいますが、上の事由により、最もよく使うバージョンは、今でも「2004」です。Win 機の OS を Windows 7(64bits)に変更した時点で、さすがにもう使えないだろうなあ……、と思いつつ、半分ダメ元気分で再インストールしてみた「2004」だったのですが、今でもちゃんと動いています。


「次の一太郎」は、もういいや……、と思った矢先

最近では、毎年バージョンを刷新(さっしん)する一太郎。今ごろの時節(つまり、まあ、2月、3月の新学期前ってことですが)になると、決まって「次」が投入されるのです。そのたんびに「Windows Vista 対応」やら、「Windows7 対応」やらと言われ、渋々「次」を購入することになるのですが、毎年、「新しい使い方」を指先になじませるのって、結構体力を消耗させるんですねぇ……。で、それでいて、それまでのバージョンが「Vista」や「7」で使えないのか、って言えば、決してそのようなことはなく、現にわたしは今でも「一太郎2004」を使い続けているわけです。

ですから、次の一太郎、「一太郎2012・承(しょう)」については「もう、いっかな」って思っていました。購入しないつもりだったのです。

でも、「承」の詳細を調べていたら、俄然欲しくなっちゃいました。理由は、承の「EPUB3.0 への対応」。

ジャスト・マイ・ショップ(JustMyShop)のページからワンクリックしちゃいましたよ。ただし、商品の到着は2012年2月10日以降。わたしの手元にはまだ届いていません。

というわけで、「承」に関する報告、考察については、次回以降に持ち越しです。

To be continued...(#003へ移動)

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